5月某日、僕の安アパートににアニさん、あっきんが来訪。何時もの通りラジコンを主体とした雑談が始まる中、誰かがふと呟いた一言。
「CR-01ってどうなん?」
そこから始まるタミヤ・ランドクルーザー40の話題。
「ノーマルで楽しみたいよね」
「豊富なオプションが…」
「改造はタイヤ程度で」
「モーターは540でええのかな」
「でもカンチでしょ?」
「流石タミヤ、ディティールの再現は伊達じゃない」
「プラネタリー・ギヤの減速比ってどうなんスかね」
「ボディバリエーション考えてるらしいですよ」
「…」
ふと訪れる沈黙。
そりゃそーだ。だって話してる人間、全員CR-01持ってないんだもの。
「欲しいっスねぇ」
その言葉には誰も応えず、あっきんはブラウザを立ち上げ、YouTube内でタミヤのランクルを検索、めぼしい動画を拾い始める。皆で見入っては感想を言い、また見入る。
誰もが胸に秘めているであろう言葉を、あっきんが口にした。
「…みんなが買うならこれ買うよ」
アニさんと僕はぎくりとしながらも、「でもねぇ」と口にする。何せこの二人、2.2クラスから入り、自作だなんだと散々マシンをこねくり回しているのだ。同じジャンルは二台もいらない。
あっきんは良い。この男、自身が乗っている車はランクル80だし、2.2マシンも持っていない。
アニさんがふと何かしら計算を始める。
「ホーシングとか」
ああ。
「CC-01とか」
あああ、ダメだ。
「ちょうど処分しようと考えてたんですよね。全部売れれば、購入資金ぐらいは行くはずです」
―言って、しまった。
精度の出ない自作シャーシ、高いアルミビレット・パーツ、ビードロックホイール、ソフトコンパウンドタイヤ、専用トランスミッション。
僕らは何故、それらを求めたのか?市場になかったからだ。自分達で作らざるを、求めざるを得なかったからだ。
今は、ある。
そう。天下のタミヤが満を持して送り出した、「クローラー」を意味する名を冠したシャーシ、CR-01が、市場にあるのだ。
自作はもちろん楽しい。しかし、僕らはもう耐えられなかった。

